はじめに
マネジメントの業務支援サービスを提供するEVeM CEOの長村禎庸は、2026年7月に開催されたアマゾンジャパン合同会社主催の『Amazon Business Exchange 2026』で、『管理部門の全社貢献を高める、目標設計と実行戦略のフレームワーク』をテーマにしたセッションに登壇しました。
同イベントは、企業の経営や購買に携わる方々が知見を高め、業務改革・改善を実現していくために、有識者を集めたトークセッションや展示会を併設したビジネスカンファレンスです。
長村登壇のセッションでは、アマゾンジャパン合同会社Amazonビジネス事業本部コマーシャルセクター営業本部本部長の鐸木恵一郎氏がモデレーターを務め、長村と共に管理部門で求められる目標設計や実行戦略について語り合いました。
セッションには管理部門に携わる115名の方が集合。EVeM独自の「マネジメント100の型」の知見をベースにした「貢献モデル」の描き方と、それをベースにした役割整理・目標設計のメソッドについて、共に学びました。
問い「どうすれば良い目標が立てられるか?」からセッションはスタート
「どうすれば良い目標が立てられるか?」会場の空気をつかんだのは、冒頭に投げかけられた一つの問いです。経理、総務、法務、情報システムなど管理部門・コーポレート部門に所属する参加者にとって、日々突きつけられながらも、あえて言語化する機会のあまりないテーマと言えそうです。
長村はこの問いを起点に、目標設計を「役割」「貢献モデル」「目標」「計画」という4つのステップに分解し、解説していきました。
【型】役割と目標の関係――目標は「役割」から逆算する

最初に提示されたのは、「役割と目標の関係」を示す型です。会社全体の目標から分解して各部門へと役割を割り振り、その役割に紐づく形で初めて目標が定まるーーという構造が図解で示されました。
例として挙げられたのは経理・総務の2部門。経理であれば「請求・入金・決算などの定められた業務を行うという役割」に加え「経営判断に資するデータを的確に可視化・共有する役割」。総務であれば「会社運営に必要なファシリティを揃えるという役割」に加え「より低コストかつ高品質を実現するファシリティマネジメントを企画・実行するという役割」。
定型業務の説明にとどまらない、一段階抽象度の高い役割を自部門で言語化する重要性について、鐸木氏、長村とでトークが広がりました。
【型】貢献モデル――「誰に、何を」を描けば施策の質が変わる
続いて紹介されたのが「貢献モデル」の型です。長村は「貢献モデルを把握すると、貢献と対価にフォーカスした筋の良い施策が立案でき、成果を最大化できる」と説明。自部門が「誰に」「何を」貢献しているのかを言語化することが、目標設計の土台になるという考え方です。
具体例として、法務チームなら「事業部に、事業を推進するために必要な法務サポートの提供」、経営企画チームなら「経営陣に、正しい経営判断ができる材料と場の提供」というように、複数のチームを例に貢献モデルの描き方が紹介されました。
【型】野心的な目標――「見えている70%」の先を描く
次のテーマは目標そのものの「野心度」についてです。「70%は達成が見えるけど、100%はわからないな……」という参加者の本音を代弁するような一言から入り、長村は「見えている70%」と「残りの30%」を対比する図を提示。あえて達成方法が見通せていない「残り30%」を目標に含めることで、「チームの創意工夫を誘発し、チームの成果を最大化する」効果があると解説しました。
【型】状態目標――「Be」で語り、「Do」で終わらせない
目標の「立て方」そのものにも踏み込みます。マネジメント100の型からフォーカスしてここで示されたのが「Be(終了後の状態)」と「Do(〜する)」を対比させた「状態目標」の型です。「〜する」というDoの表現は目標ではなく、目標とはあくまで終了後にどのような状態になっているか=Beをイメージして立てるべきだという考え方です。
定量目標の例として「売上1億円」、定性目標の例として「MVPの開発と検証が完了している状態」が挙げられました。
さらに、定性目標であってもあいまいにせず、C(25%)・B(50%)・A(75%)・S(100%)という4段階の達成度定義を事前に言語化し、週次のロードマップで計画と進捗を並べてトラッキングする手法も紹介。「SOP(標準作業手順書)が作成され共有されている状態」から「対象部門のメンバーが他者の支援なしで発注・承認を完結できる状態」まで、状態の変化として段階を描く実例が示されました。
効果の見せ方は?――3つの成果とKPI設計、そして評価のサイクル

セッション終盤のテーマは「効果の見せ方は?」。ここでは「アクション」「アウトプット」「アウトカム」の定義を用いて、「XXを導入します」「XXを作ります」という成果と、「コストがXX減ります」というアウトカムの成果を、使い分けて語ることの重要性が説明されました。
そのうえで、それぞれに応じた目標があることを具体例を用いて紹介し、「アクション」「アウトプット」「アウトカム」タイプの目標それぞれのメリットデメリットを解説しました。
成果を数値化しにくい管理部門だからこそのフレームワーク

※セッションには、大手企業からベンチャーまで管理部門に携わる115名の皆さんが参加し、明日からの仕事に「マネジメントの型」を持ち帰りました。
セッションを通じて長村が繰り返し立ち返ったのは、「役割→貢献モデル→目標→計画」という一連の流れです。「自部門はどのような役割が求められているのか」「誰に、どのような貢献をしているのか」「到達地点の状態で表現するとどのような目標か」「その目標が達成される計画はどのようなものか」――この4つです。4つの問いを順に自問することが、管理部門が場当たり的な業務遂行から脱し、全社への貢献を言語化・可視化しながら実行していくための一貫したフレームワークとして提示されました。
事業部門と異なり、成果が数値に直結しにくい管理部門だからこそ、「役割」「貢献モデル」「目標」「計画」を丁寧に言語化し、筋道立てて語ることが求められます。長村のセッションは、そうした管理部門特有の難しさに向き合い、明日から使える「型」として持ち帰ってもらうことを意図したものです。参加者からは「非常にわかりやすかった」「次回も予定されているワークショップに参加してみたい」という声が相次ぎ、次への期待も高まりました。
(全ての写真はアマゾンジャパン提供)


