はじめに
「戦国マネジメントスカウター」という診断を作りました。あなたのマネジメント"力"を数値で表現し、加えて、そのスキルの波形からあなたのタイプを戦国武将で表現します。
▼戦国マネジメントスカウター

私は大学時代、文学部で日本史学専攻でした。研究分野は安土桃山時代です。戦国時代がずっと好きなジャンルでした。そこにマネジメント力を測るという話を掛け合わせて面白いものが作れるかもしれない!と興奮しながら作った一作になります。
個人的な趣味趣向が発端になったものではありますが、中身はもちろん、大マジメに作っています。
診断の概要

診断で出てくるのは、大きく2つです。ひとつが「武将タイプ」、もうひとつが「スキルマップ」です。
ここでいうタイプは、性格やキャラクターのことではありません。スキルの波形だと思ってください。何が得意で何が不得意か。それが得意でそれが不得意な人は武田信玄型ですね、という分け方をしています。
そしてスキルマップの方には、具体的な点数が出ます。同じ武田信玄型でも、ハイレベルな方はスコアが高く出ますし、まだ経験の浅い方は低く出ます。戦士タイプという分け方があって、その戦士の中にもレベルの高い人と低い人がいる、という感じでしょうか。
「マネジメントができている」とは、どういう状態か

スキルマップに出てくる「執行」「活用」「伸張」「連携」について、先に説明させてください。ここが分からないと、診断結果の解説を読んでも意味が取りにくいと思います。
「マネジメントができているとは、どういう状態でしょうか」と聞くと、返ってくる答えは人により、組織により、バラバラです。人が育っている状態、目標を達成できている状態、チームが一丸となっている状態。
どれも間違いではないのですが、組織の中でその認識がそろっていないと、マネージャーそれぞれが異なる方向に向かって進んでしまいます。
そこで、マネジメントができているかどうかは、次の4つの基準で測られるべきだと考えています。

執行は、チームの成果を出すための重要な業務を見極め、それを執り行うこと。成果というのは、四半期から半期くらいで設定された目標の達成だと考えてください。
活用は、全メンバーが持続的にパフォーマンスを発揮し続けるために、そのリソース・意欲・能力をフル活用すること。
伸張は、採用と、メンバーの育成を通じてチーム全体の力量を向上させること。あまり見慣れない言葉だと思います。活用が現有戦力の最大化だとしたら、伸張は戦力そのものを伸ばす話です。
連携は、上司や他部署と適切に連携し、他部署や全社の業務執行がスムーズに行くよう取り計らうこと。
なぜ、この4つなのか
この4つは、私の信念として並べたものではありません。求めるアウトカムから逆算した論理的な結果として、この4つの基準を提示しています。

縦軸に「チーム」と「全体」、横軸に「成果(短期)」と「成長(中長期)」を置きます。
執行を頑張れば、チームの短期の成果に効きます。
活用ができれば、メンバーが活躍するので短期の成果はもちろん、活躍し続ける人が積み上がり続けますので、中長期の成長にも効きます。
伸張は短期には効きにくいのですが、自分のチームで人が育てば外に輩出することもできますし、自分が後任に譲って別の部署へ移ることもできるので、全体の成長に効きます。
連携ができれば、全体の成果と成長の両方に効きます。
4象限を埋めていくと、この4つで過不足がなくなります。
ウェイトは、状況によって変わる
4つとも大事なのですが、時と場合によって比重は変わります。

たとえば、会社が潰れそうな状況であれば、執行100%で活用も伸張も連携もしません、というのは正しいと思います。全員で短期の目標達成だけに集中する状態です。逆にその状況で、活用や伸張に時間と意欲を使っています、というのは合っていません。
もし皆さんがこの4つの基準で評価されるとしたら、そのウェイトは状況によって変わるはずです。状況に応じてウェイトを変えながら業務に臨むのが理想だと思っています。
得意・不得意はある
ただ、ここまで整理したうえで、それでも得意不得意はあるよな、と思ったのが今回の診断のきっかけでした。
状況によって配分を変えるべきだと分かっていても、執行が得意な人、活用が得意な人、伸張が得意な人、連携が得意な人がいる。
全部得意という方もいれば、私は活用だけが得意です、という方も本当にいらっしゃいます。
私自身、活用はあまり強くない自覚があります。この状況では活用に振らないといけないと頭では分かっていて、日々そのつもりでやるのですが、どうもうまくできない、ということがあります。
16人の武将は、4基準の全パターン
その得意不得意を、戦国武将に当てはめました。

登場するのは16人です。4つの基準の得意・不得意で16通りの組み合わせを作りました。
このタイプがこの武将だなというのは、執行・活用・伸張・連携の軸で戦国大名を一人ずつ見ていって決めました。歴史の解釈にはいろいろな見方がありますので、あくまで私個人の見立てです。
武田信玄型を例にすると

武田信玄型の特徴は、関心とエネルギーが「執行」と「活用」に注がれる点にあります。
武田信玄はとにかく強い人でした。天下統一のレースでは優勝候補と言っていい存在でしたし、24人の名だたる武将を抱えて彼らを徹底的に活用しました。信玄自身も戦の天才ですから、執行と活用がとても得意です。
一方で、同盟をうまく運用するのは苦手でした。北条家や今川家との同盟を解消してしまったこともあります。上杉謙信とは川中島で5回も戦っていますが、京都に上ることが目的なのだとしたら、なぜあそこで5回もやったのか、という疑問は残ります。お互いに消耗しただけではなかったか、と。
そして、次の代に戦えるチームを残せたかというと、そうではありませんでした。信玄が死んだ瞬間に武田家は弱体化します。勝頼も強い武将でしたが、信玄が死んだことがきっかけで武田家が滅びたのは事実だと思います。この人がいなくなったら終わり、という構造でした。
だから信玄は伸張と連携が弱い、という見立てにしています。自分の代で完璧を作るのは得意。次の代に何を残すかが、意識的な課題になる。武田信玄型の方には、そういう解説がつきます。

診断では、その武将タイプがどの状況で活きるのかも出るようにしました。チームの状況を、立ち上げ、急拡大、成功の継続、軌道修正、立て直しの5つに分けています。
さらに、おすすめのマネジメントの型も出します。武田信玄型であれば、まず組織図の計画です。あなたが亡くなった後も続くように、ちゃんと作れていますか、という問いですね。次に個人目標設定。今の力を活用するのはそれでいいけれど、今できないことができるようになる仕組みを作れていましたか、という話です。
長篠の戦いで、織田信長は鉄砲を選びました。武田の騎馬隊がいかに強くても、鉄砲が来る時代に騎馬を捨てられなかったのではないか。ここは賛否のあるところですが、普段からできないことをできるようにする目標設定がされていれば、鉄砲隊を持つという議論もできたのではないかと思うのです。
これは今の話に置き換えても同じで、AIが出てきているのに、自分が議事録を取るのがうまいからといってAIを一切使わずに全部自分で議事録を書き起こします、というのと近いのかもしれません。
マネージャーだけが、キャリアではない

16人の中に、4つとも丸がつかない人がいます。出雲阿国です。
阿国は歌舞伎の祖と言われている人です。出雲大社の巫女で、全国を巡って踊っていた中から歌舞伎の原型が生まれ、踊り子として活躍しました。丸がつかないというのは、マネージャーではない、ということです。
マネージャーとして生きることだけがキャリアではないと、私は思っています。自分の芸や才能を突き詰めて、文化を作るほどの強烈な仕事は、人をマネージしていたら逆にできないのではないでしょうか。人をマネージする時間をなしにして、自分の踊りを追求した結果、今に続く歌舞伎ができたのだとすれば、それがマネージャーより劣っているなんてことは絶対にないはずです。
阿国型が出た方は、スキルマップも全体的に小さめのものが出てきます。でも、あまり気にしないでほしいと思っています。もちろん、マネージャーをやりたいのであれば今後鍛えれば良いですが、マネージャーをやりたいかどうかは、生き方の問題でもあります。
体重計のように使ってほしい
今回はタイプ診断ではなく、スキルの波形と実際のスキルマップを出します。ですので、定期的にやり続けていただきたいと思っています。
体重を測るのと同じで、点数が上がったなと確認したり、執行と活用に飛び出た波形だったけれど連携を意識したら武田信玄型から豊臣秀吉型に変わったな、と波形の変化を楽しんでいただけたらうれしいです。横のマネージャー同士でも、こういうものを使ってコミュニケーションしてもらえたらと思います。
点数やタイプを出すというとエンターテインメントに見えるかもしれませんが、その後に具体的なアドバイスと、あなたにおすすめのマネジメントの型まで出るようにしました。ご自身の成長のために使ってもらえたら、作った甲斐があります。